バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)とは

ITB療法は、病気の種類に関係なく、脊髄損傷・脳性麻痺・頭部外傷性および脳卒中後の広い範囲の痙縮に対して行われます。

この治療は、患者さんの状態に応じて薬の量が調節でき、痙縮をコントロールすることができます。痙縮をやわらげることで、日常生活の活動の幅を広げ、生活を豊かにすることを目的としています。

ITBとは

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)の主な適応疾患

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)の効果・期待できること

▼参考サイトより引用。参考に、原稿の作成をお願いします。

  • 広範囲の痙縮に対応
  • スクリーニング(お試し)で効果を試すことができる
  • 薬の投与速度によって効き方を調整できる
  • 体の広い範囲に効果が得られる
  • 脊髄に直接効果をさせるため、投与量が少なくてすむために眠気などの副作用がでにくい
  • いつでも中断・中止することができる(その場合、治療前の状態に戻ります)

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)のメカニズム

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痙縮を和らげるお薬(バクロフェン)の入ったポンプをおなかに埋め込み、カテーテルを通じて脊髄周辺(髄腔)にお薬を直接投与します。

患者さんご自身がおなかにプログラマをあてて埋め込んだポンプを操作し、患者さん個々の状態に合わせてお薬の投与量などを調整できます。

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)のメカニズム

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)の使用機器

ITBは以下の機器を体内に植込みます。
患者さんは専用プログラマを用いて、お薬の投与量などを調整します。

ITBの使用機器「ポンプ」

ポンプ
腹部に植込みます。少しずつ継続的にお薬を出します。

ITBの使用機器「コントローラ」

コントローラ

ITBの使用機器「カテーテル」

カテーテル
ポンプから脊髄にお薬を送ります。

提供:第一三共株式会社

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)手術の流れ

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バクロフェン髄腔内投与療法では、効果があるかどうかを確認する「スクリーニング」と、効果が確かめられた後でポンプ・カテーテルを植込む「本植込み」とがあります。
2回の手術で入院期間は2~3週間程度です。

1.治療目標の設定

治療の目標を医師と一緒に決めていきます。
痙縮を和らげることが第一で、今ある痛みが半分以上軽減することを目標とします。
痙縮によって日常生活で困っていることは何かを考えて、日常生活を改善していくこと(夜ゆっくり眠れるようになりたい、働きたい、散歩ができるようになりたい等)を第二の目標とします。

2.スクリーニング

ポンプなどをお腹に埋め込む前に、バクロフェン髄腔内投与療法を行うことで、効果があるかどうかを確認します。
腰から少量のお薬を脊髄の近くのスペースに1回注射して、効果を確認します。
効果がない場合は、お薬の量を調整して、再度治療効果を確認します。再度治療後も効果がなかった場合、他の治療法を医師と相談しながら決めていきます。
症状の改善具合、患者さん・ご家族の治療に対する満足度などを総合的に考えて、最終的な治療をご希望される場合は、ポンプをおなかに入れる手術をして、効果が持続するようにします。

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)手術の流れ:スクリーニング

3.ポンプ・カテーテルの植込み手術

手術を継続される場合には、ポンプをおなかに入れる手術を行います。
ポンプからカテーテルを皮膚の下に通して、背中の脊髄の近くまで届けます。
ポンプの留置後、効果を確認します。
手術の直後は、効果が強く出すぎたり、軽くなりすぎたりすることがありますが、お薬の量を調節することで適切な効果があらわれるようになります。
手術の傷口は、おなかにポンプ埋め込みのための約9センチ、背中にカテーテル挿入のための5センチの2ヵ所です。
手術後は、約1~2週間の入院となります。

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)手術の流れ:ポンプ・カテーテルの植込み手術

8.退院後

手術後約2か月間は、ポンプやカテーテルの位置がずれないよう、植込み部位に負担がかからないように安静を心がけ、激しい動作はしないでください。

3ヶ月以内に1回の頻度でお薬を補充します。(外来受診)
おなかの上からポンプに注射して、お薬を補充します。

約5~7年に1回、ポンプを交換します。(入院手術)
約5~7年でポンプを動かす電池が切れます。電池が切れそうな時期になりましたら、手術により新しいポンプと交換します。

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)手術の流れ:退院後

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)のリスク・副作用

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  • この治療法は、痙縮そのものを治したり患者さんの病気そのものを治すものではありません。
  • 髄液漏れ、カテーテルトラブル(脱落、断裂、ねじれ、閉塞など)、感染などのトラブルが報告されます。
  • ポンプシステムの何らかの異常により、お薬の注入量が減ってしまい、離脱症状が現れる場合があります。