脳深部刺激療法(DBS)

脳深部刺激療法(DBS)とは

脳深部刺激療法(deep brain stimulation: DBS)とは脳の奥深くにある特定の領域(核といわれる部位です)に刺激電極を留置し、前胸部などに埋め込んだ刺激装置から電気パルスを送り刺激することにより不随意運動症(パーキンソン病・本態性振戦・ジストニア)を治療する方法です。

脳深部刺激療法(DBS)とは

脳深部刺激療法(DBS)の主な適応疾患

脳深部刺激療法(DBS)の効果・期待できること

▼参考サイトより引用。参考に、原稿の作成をお願いします。

  • ふるえやパーキンソン病による運動障害を軽減できる。
  • パーキンソン病では、お薬が切れて生じる症状を改善し、1日中お薬が効いている状態に保つことができる
  • お薬を飲む時間を気にすることがなくなり、活動や行動範囲が広がる
  • お薬の量を減らすことができ、お薬による副作用が軽減できる
  • 必要に応じて刺激の強度を調整しながら治療できる
  • 体の左右に差のある症状に対して別々に調整できる
脳深部刺激療法(DBS)の効果・期待できること

※万が一効果がなかったり副作用がコントロールできなかったりした場合、刺激を中止する(オフ)、または植込んだ機器は手術で除去することができます。
※治療効果には個人差があります。

脳深部刺激療法(DBS)のメカニズム

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刺激発生装置は弱い電気信号を作り、延長ケーブルとリードを介し脳深部を刺激します。この電気信号により脳内の異常な電気活動は修正され、パーキンソン病や本態性振戦の症状を緩和することができます。

通常、電気刺激は常に脳内に送られますが、患者さんご自身がリモートコントロールで刺激のオン・オフを切り替えることができます。
刺激の強さも調整することができます。

脳深部刺激療法(DBS)のメカニズム

脳深部刺激療法(DBS)の使用機器

DBSでは以下の機器を体内に植込みます。
患者さんは、専用リモートコントロールを用いて、刺激のオン(入)とオフ(切)の切り替えができます。
充電式のDBSでは充電器で定期的に充電します。

DBS使用機器「リード」

リード
脳深部に植込みます。先端にある数個の電極から微弱な電流を流します。

DBS使用機器「刺激発生装置」

刺激発生装置
前胸部の皮下に植え込みます。微弱な電気信号を発生させ皮下のケーブルを介して脳に伝えます。充電式と非充電式の2つのタイプがあります。

DBS使用機器「専用リモートコントロール」

専用リモートコントロール
医療者用コントローラーと、患者用コントローラーがあります。刺激発生装置の刺激のオンオフ、充電状態の確認、刺激条件やプログラムの変更などを行うことができます。

DBS使用機器「充電器」

充電器
刺激発生装置の真上に、充電器をあてて充電を行います。数日に1回、数分から数十分の充電が必要です。

提供:日本メドトロニック/ボストンサイエンティフィック社/アボットジャパン合同会社

脳深部刺激療法(DBS)手術の流れ

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ここでは手術前後の流れをご説明いたします。

1.入院・検査

手術前に必要な、さまざまな検査を行います。
入院・検査お薬の飲み方について、医師から特別な指示が出る場合があります。

2.手術

大きく5つのステップに分けられます。約4~8時間で終了します。

①フレーム装着
②画像撮影・リード植込み位置の決定
③穿頭・リードの挿入
④テスト刺激
⑤刺激発生装置の植込み

①フレーム装着

患者さんの頭部に局所麻酔をして、フレームと呼ばれる金属枠を装着します。
フレームにより頭部が固定され、刺激部位の位置決めができるようになります。

脳深部刺激療法(DBS)手術の流れ:フレーム装着

②画像撮影・リード植込み位置の決定

フレームを頭部に装着した状態でMRIやCTを撮影し、脳深部のリード植込み予定部位(ターゲット)を決定します。

脳深部刺激療法(DBS)手術の流れ:画像撮影・リード植込み位置の決定

③穿頭・リードの挿入

前頭部の頭皮に局所麻酔をし、約4~5cm切開します。ドリルで頭蓋骨に14mm程度の円形の穴を開けます。次にリード挿入部位を特定するために記録用の電極を脳内に挿入し、脳内の電気的な活動を記録します。記録が終了したら記録用の電極を取り出し、リードを挿入します。

脳深部刺激療法(DBS)手術の流れ:穿頭・リードの挿入

④テスト刺激

リードが挿入されたら、テスト刺激を行います。
テスト刺激の目的は、リードが正しい位置に挿入され、治療効果があるか、副作用がないかどうかを確認することです。
医師の指示に従って、体の一部を動かしてみたり、質問に口頭で答えたりします。
もし効果がなかったり、副作用がコントロールできない場合は、リードを再度挿入し直して刺激部位を変えたり、手術自体を中止したりすることがあります。

脳深部刺激療法(DBS)手術の流れ:テスト刺激

⑤刺激発生装置の植込み

テスト刺激で効果と副作用について確認できたらリードを頭蓋骨に固定し傷を閉じます。次に全身麻酔下で胸に刺激発生装置を植込みます。リードと刺激発生装置は延長ケーブルでつながれます。これらは全て体内皮下に留置され、体外からは見えません。
刺激発生装置の植込み手術は、リードを挿入した日には行わず、数日後に実施する場合もあります。

脳深部刺激療法(DBS)手術の流れ:刺激発生装置の植込み

3.刺激の調整(手術後1~2週間)

通常、手術後は1~2週間入院する必要があります。
入院中に医師が刺激の調整を行います。
退院後も刺激の調整や検査のために通院が必要ですので、医師の指示に従ってください。

脳深部刺激療法(DBS)手術の流れ:刺激の調整(手術後1~2週間)

4.手術を受けた後の通院

脳深部刺激には様々な刺激条件が存在し、患者さんごとに最適な刺激条件を調べ、設定する必要があります。しばらくは外来通院の中で最適な刺激を探す作業が必要となります。一旦刺激条件が定まればその後は頻繁な調整は不要となりますが、刺激装置のメンテナンス、バッテリー残量のチェックのための外来通院が必要です。

脳深部刺激療法(DBS)のリスク・副作用

日常生活への影響

体内に刺激電極と刺激装置が埋め込まれていますので電流や磁場に対する若干の注意が必要となります。埋め込まれた機種によりますがMRI撮影の際には刺激装置をMRI撮影用に設定し直す必要があり、MRIの撮影方法にも制限があります。MRI撮影前には必ず受診した医療機関に脳深部刺激装置が埋め込まれていることを仰ってください。他にも体に電流が流れるような医療器具など注意が必要なものがありますので、主治医へ確認するようにしましょう。

脳深部刺激療法(DBS)のよくある質問

▼参考サイトより引用。参考に、原稿の作成をお願いします。

一般的に非充電式であれば3~5年程度、充電式であれば約10 年以上と言われています。
患者さんの刺激強度や使用頻度によって異なります。

大きく分けて3つあります。

手術に伴うもの: 感染、手術部位の痛み、脳内出血、アレルギー反応、てんかん発作、等
刺激によるもの: こわばり、しびれ、しゃべりにくい、めまい等
環境によるもの: 強い電磁場により刺激が中断されたり、不快な、または衝撃的な刺激が生じたりする可能性があります。強い電磁場は以下のようなものがあげられます。
・盗難防止装置
・金属探知機
・IH 電気炊飯器等

*これらのリスクには個人差があります。
*病院で受ける検査や治療において、使用できないまたは注意が 必要な医療機器もあります。
*植込んだ機器が損傷することはありませんが、患者手帳とカードを日常的に携帯することをお勧めします。具体的な対応については主治医の指示に従ってください。

ご自身で決められます。通常、パーキンソン病では24 時間刺激を持続することが多く、本態性振戦では必要に応じて使用(例えば、起床時にオン、就寝時にオフなど)することが多いようです。詳細は主治医の指示に従ってください。

刺激発生装置の上に体外から専用の充電器をのせることで、エネルギーを補充できます。

ジョギングなど簡単なスポーツは可能です。旅行もできます。ただし、空港などでの身体検査、金属探知機、警備用機器等によって、ごく稀に予期せぬ刺激(不快感)が発生する可能性があります。

*植込んだ機器が損傷することはありません。
*患者手帳とカードを携帯し必要に応じて呈示してください。

DBSシステムは全て体内に入っているので、退院後は通常通りに洗髪も入浴もできます。

日常生活でほとんどの家庭用電化製品、オフィス機器、パーソナル無線など、通常の使用方法ではほとんど影響ありません。

DBSシステムを植込んでいると雷が落ちやすくなるというデータはありません。

患者手帳を持参し、DBSシステムを植込んでいることを医療機関のスタッフに申告してください。ジアテルミー(高周波温熱療法)、体外式除細動器などの体に電気を流す医療処置、神経伝導検査、核磁気共鳴画像(MRI)などはDBSシステムに悪影響を及ぼす可能性があり、使用できません。主治医の指示に従ってください。

一般に高齢になるほど手術のリスクが高くなると考えられていますが、年齢制限に対する考え方は施設によって異なります。詳細は主治医にご相談ください。

DBS はふるえやパーキンソン病の運動障害を改善させますが、病気そのものを治す根治治療ではありません。病気の進行によって刺激の設定を変えながら治療を行いますので、一般的にはDBSシステムを取り外すことはありません。もし効果がなくなった場合は、簡単な手術で取り外すこともできます。

DBS の効果はほぼ永続的です。パーキンソン病では、進行すると歩行障害や呂律障害などDBS の効かない症状が増えていきます。しかし、病気が進みDBS の効かない症状が大部分を占めるようになっても、ほとんどの場合、急にDBS を止めるとそれまで抑えられていた症状が悪化します。
そのため、充電式装置では充電を続ける必要がありますし、非充電式では定期的な交換が必要になります。

適用されます。手術とDBS システムに適用されます。

パーキンソン病の場合、ホーン& ヤール重症度3 度以上で、生活機能障害度2 度以上の患者さんであれば、特定疾患として認定を受ければ公費負担の対象となります。医療費の自己負担分の一部または全額が助成されますので、詳細は最寄りの保健所にお問い合わせください。
上記の医療費助成制度の他に、パーキンソン病の患者さんが受けられる支援制度に、介護保険制度、身体障害者福祉法などがありますので、詳しくは各自治体の担当窓口や最寄りの保健所等にご相談ください。

医療機関や薬局の窓口で支払った額が、月の初めから終わりまで一定額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。原則として請求された医療費の全額を支払った上で申請することにより払い戻されます。
また、あらかじめ「限度額適用認定証」の交付を受け、医療機関の窓口に提示することで、医療機関ごとにひと月の支払額が自己負担限度額までとなります。認定証の交付に関しては、加入されている健康保険組合、全国健康保険協会、市町村、国保組合、共済組合までお問い合わせください。
*入院時の食費負担や差額ベッド代などは含みません。

負担の限度額は、年齢や所得、かかった医療費によって異なり、次のように計算されます(平成29 年5 月時点)。詳細は厚生労働省のウェブサイト等をご参照ください。